CASE4. 有限会社アラン倉庫新築工事【CLT】

CLTでつくった狭小倉庫をカルチャーの発信源に!

今年、静岡県浜松市の街道沿いにオープンしたCLT建築。静かな街並みに突き板を配ったウッドパネルのファサードが目を引く。こちらは、創業30年を迎える設計工務店「有限会社アラン」が設計・施工した自社倉庫である。

JAS構造材個別実証支援事業にて採択されたプロジェクトの中でも「有限会社アラン倉庫新築工事」は、小規模である。CLTだからこそ短期間で完成した狭小建築について、設計・施工を担当されました有限会社アラン代表取締役・中根康晴氏とインテリアデコレーターの中根えみ子氏のお二人にお話を伺った。

<有限会社アラン倉庫新築工事>
敷地面積 85.05 ㎡
助成対象のJAS構造材 CLT
助成対象木材使用量 32.11㎥

 

CLTパネルで空間をつくる

倉庫内1F 内観写真
−−−公募に参加した経緯を教えて頂けますでしょうか?

中根えみ子氏:弊社は自社で設計・施工を行う設計工務店です。住宅から店舗まで設計・施工を行っています。数年前にCLTでつくった建築物を見学する機会があり、その後、仕事でCLTを使用する機会が増えた時にプレカット工場の方からJAS構造材利用拡大事業のお話を聞き、すぐに応募いたしました。


−−−こちらの建物は、どのような目的で使われるのでしょうか?

中根えみ子氏:基本的には倉庫として使用しますが、今後ここでエクステリアのワークショップを行いたいと考えております。外構ってなかなかチャレンジする機会が少ないと思いますが、ワークショップでは塀の塗装から組み付けまでを実施します。人が集まる空間として有効利用できたらいいなと思っております。
 

JAS構造材【CLT】の魅力

倉庫内2F 内観写真
−−−今回、CLTを施工してみた感想はいかがでしょうか?

中根康晴氏:以前から36mm厚のCLTパネル(3x6板)を柱と柱の間に落とし込む工法を行っていました。主に住宅の壁・床・天井面・屋根の下地などに採用してきました。今回の工事ではパネルをあえて仕上げ材で覆うことなく、現し(あらわし)のラフな状態で完成させており、狭小スペースでの工場や倉庫などの空間づくりがイメージできると思います。


−−−一般材と比べてJAS構造材(CLT)の優位点について教えてください

中根康晴氏:CLTは大版のため、現場での細かい加工が少なくていいですね。材料の枚数も抑えることができるので作業効率もいいですね。通常の木造建築の場合、どうしても柱を入れないといけないのですがCLTは柱をなくして、空間を広く取れる所が違いますね。


−−−JAS構造材の魅力はどこにありますか?

中根氏:お客様に施工を任されておりますので、品質にばらつきがある材料を使うことはできません。JAS構造材は厳しい検査基準を設けており、品質が安定しているので安心して勧められる建材ですね。魅力はやはり品質ですね。
 
更地の状態から完成までの工期 約4カ月

CLT工法の未来

−−−CLT工法は今後どのような取り組みをすれば普及するでしょうか?

中根康晴氏:CLTは施工性に優れていて、大空間を短期間でつくれる所が素晴らしいですね。私自身もJAS構造材の品質の高さをお客様に紹介していきます。

中根えみ子氏:重量鉄骨で建てられた建物と比べて、CLT建築は木の匂いや香りを感じます。それに包まれる心地よさを感じて欲しいと思いますので、事務所やギャラリーに最適ですね。今後もワークショップやイベントをこの空間で展開して、木の魅力を伝えていきたいと思っています。
階段の踏み板もCLTを採用!

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