CASE3.佐藤牧場牛舎新築工事【機械等級区分構造用製材】

北海道の広大な敷地に建てられた木造牛舎

北海道の酪農建築で15年程前から少しづつ増えてきた木造牛舎。今回、JAS構造材個別実証支援事業にて採択され、網走郡に建設された「佐藤牧場」の牛舎も木造建築である。北海道の建築会社事務所内で、JAS構造用製材を柱に大量採用した木造牛舎建築とJAS構造用製材の魅力について、建設会社・有限会社Cow Comfort Service(カウ・コンフォート・サービス)代表取締役 海野敦氏と木構造メーカー・厚浜木材加工協同組合 専務理事 原中雅広氏のお二方にお話を伺った。

<佐藤牧場牛舎新築工事>
敷地面積 4,848.26㎡
助成対象のJAS構造材 機械等級区分構造用製材
助成対象木材使用量 5.6㎥

木造牛舎の柱にJAS構造用製材を使う

−−−公募に参画された経緯を教えて頂けますでしょうか?

海野氏:厚浜木材加工協同組合さんからJAS構造材利用拡大事業の話を伺いました。このタイミングでぜひJAS構造材を木造牛舎工事で使ってみたいと思いまして、JAS構造材利用拡大事業に参画いたしました。


−−−牛舎建設のどの部分にJAS構造材は使われましたでしょうか?

原中氏:柱100本以上に使用しました。機械等級区分構造用製材の中で、「コアドライ」というカラマツ材を乾燥させた柱材がありまして、そちらを本工事では採用いたしました。コアドライは材料寸法の狂いが少なく、プレカットの加工の精度が高いですね。

JAS構造用製材を選ぶ理由

−−−牛舎建設で工法を検討する際になぜ木造を選ばれたのでしょうか?

海野氏:以前に偶然TVで海外の木造牛舎の映像を見て、日本でつくりたいと思っていました。平成15年から厚浜木材加工協同組合さんと話を進めまして、年々少しづつですが木造牛舎の建設を行って来ました。今回の佐藤牧場さんに関しましては、様々な牧場をオーナー様に見て頂き、木造を希望されたと言う次第です。


−−− 木造にするにあたってJAS製品を選んだ理由を教えてください

原中氏JAS材は、品質規格が決まっているため、お客様に自信を持って勧められる材料ですね。一般的な木材との大きな違いは、厳しい製品検査と基準による安定した質です。施工業者にとってもJAS構造用製材は安心して使用できる材料です。

JAS構造用製材のクオリティを知って欲しい

−−−JAS構造用製材の課題点や希望されることはありますか?

海野氏:お客様から一般材とJAS材の両方の見積りを依頼されることがあり、価格を気にされる方がいます。そのような方には丁寧にJAS構造用製材と一般材の違いをお伝えしています。

原中氏:食品と同じで最終的には自分の身に還ってくる物ですから、品質の確かなものを値段で高いと見る方もいれば安いと考える人もいます。JAS構造用製材のクオリティを知って頂ければ、長く使う物ですから決して高い買い物ではないと思いますよ。
 

完成した新牛舎を迎えて

−−−完成した牛舎の感想は?

牛舎を建てるにあたり、4~5年前から地方の酪農家さんの牛舎を何件も観させてもらいました。色々な牛舎を観せてもらった中で知人の紹介で木製牛舎を1度観た時の事です。牛のゆったりしている環境、風の流れ、牛舎の匂いなど他の牛舎との違いがあり、それ以降、木製牛舎の視察が多くなりました。

木製牛舎は、実際使うと夏は涼しく冬は暖かく、季節による舎内の温度変動が少ないため人間の負担や牛への負担も減り、大変助かっています。JAS構造材については、強度・安心コスト的にも大変将来性のある規格木材であると思います。

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